
洪水の原因のひとつは、水の使いすぎでした。
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- 災害発生前
- アート
- ダキーラ
- Climate School Project
行政に頼らないで、防災の大切さを訴える。
「Climate School Project」は、フィリピンのマラボン市民の未来の安全と健康を守るため、気候変動の脅威に立ち向かうためのプロジェクトである。
マラボン市は、年中続く慢性化した洪水と徐々に進行している地盤沈下のため、東洋のベニスとも言われている。浸水した家々や、漂うプラスチックごみの中、小さな木製の船や間に合わせの大きな発砲スチロールで移動する人々の光景が町中では日々見受けられる。
政府は、このような状況に対して、街路をより高くすることだけが有効な対策と考えており、少なくとも1階の窓の半分以上の高さに、コンクリート舗装の道路を敷設することが必要だと考えている。
海面上昇という気候変動の影響をさらに悪化させているのが、大量の地下水のくみ上げである。近年の研究では、マラボンでは海面が6m上昇しており、そのためメトロマニラ(17の行政都市で構成されるマニラ首都圏のことで、人口は約1,000万人)の多くの町には水がどんどん押し寄せている。
「Climate School Project」は、こうした気候変動の影響により、頻発する洪水や悪化の一途をたどる環境、エネルギーや資源の消費削減の啓発や管理における数値的目標がなく、強い指導力も発揮されない現状に奮起したアーティストを中心とする社会活動集団・ダキーラが、ボディショップ財団の協力を得て、マラボン市とマラボン音楽協会との協働で、マラボン居住者に気候変動の脅威について啓蒙し、個々の住民がその影響を緩和する対策に関われるようにすることを目的に様々なクリエイティブな事業を展開している。
興味を持ってもらえるように、
若者文化を活用する。
本プロジェクトにおいてダキーラは、多くの市民に気づきを与え、地域社会での活動に変化をもたらすために、広く浸透しているポピュラーカルチャーを媒体に、洪水の原因にもなっているマラボン市のごみ問題に取り組み、気候変動に対するクリエイティブかつ革新的なキャンペーンを展開している。コミュニケーションや情報の発信、教育の手段としてアートの力を用い、クリエイティブな表現方法で、積極的な参加や意義のある活動を実践するよう喚起している。
その結果、一人一人の市民が環境にやさしいライフスタイルに変え、気候問題により関心を持つことに繋がり、それは次の世代にも引き継がれようとしている。
「Climate School Peoject」は、「BasuROCK」「BasuraHAND」「BasurART」という3つの方向で活動を展開している。「BasuROCK」は、音楽や言葉の力によって、環境問題を広め、支援を呼びかけている。コンサートでミュージシャンたちが環境問題について語り、観客にCO2削減やごみを減らすことの重要性を訴えている。「BasuraHAND」は、町の利害関係者を巻き込み、協働して、集団活動の力によりクリエイティブなプロモーションを推し進めている。3R(削減-reduce、再利用-reuse、再生利用-recycle)キャンペーンと、マラボン市でのプラスチック利用量削減のため、市場で1日だけプラスチックを使用しないプラスチック・ホリデーの実施を行っている。「BasurART」は、市民に対する環境保護の啓蒙のため、地域のごみを利用したアートの力を導入している。
そこでの学びは、芸術的で創造的な発展や環境問題を若者に広めるだけでなく、一人一人の生活の糧としての道も開くことができる。



